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第23話 アグリとゾルダの関係を考察してみた ~フォルトナサイド~

Author: 光命
last update Last Updated: 2025-03-30 18:13:52

何、あの魔法。

あんなでかいイノシシを焼き尽くしちゃったよー。

どう見てもおかしいでしょ、あの力。

おつきの人はいったい何なの?

何者なの?

あんなめっちゃ強い人を従えているアグリって……

もしかして……もっと強いの?

さっきはあまりダメージ与えられていなかったみたいだけどー。

もしかしてカモフラージュ?

おつきの人に花を持たせた?

なんか頭の中がグルグルするよー。

どう接していいかわかんなくなっちゃったー。

今まで『小娘の娘』って言われてムカついたから、言い返していたけど、大丈夫だったかな。

「おい、小娘の娘!」

急にゾルダがボクを呼ぶ。

「はっ、はいっ」

思わず声が上ずる。

「さっきからかなり静かだが、何かあったのか?

 心ここにあらずって感じじゃぞ」

そりゃー、あんなの見せられれば心はどこかに行っちゃうよー

「な……なんでもないよー、ゾルダ……」

あれ?

そういえば、呼び捨てでいいのかな?

呼び捨てでも怒られるかなー

「ん?

 何故かさっきから、ワシの事を名前で呼んでおるのぅ。

 『おつきの人』とは言わないのか?」

もう『おつきの人』なんてもう言えないよー。

そんなこと言ったら何されるかわからないよー。

「いや、あの、その……」

ちょっとしどろもどろになっちゃった。

なんて答えよう。

「なんかしおらしいのぅ。

 意固地になって、『おつきの人』と言っておったのに。

 なんだ、もう終わりか、つまらんのぅ」

ゾルダがボクを煽ってくるんだけど……

「も、もう意地を張るのを止めただけですー。

 こ……これからは、名前で呼んであげるー」

ちょっと強気に出ちゃったけど、大丈夫かなー。

「ワシは変えんぞ、『小娘の娘』は『小娘の娘』じゃからのぅ」

ちょっとムカつくけど、あれだけの強さを見せつけられると逆らえないよ。

もう好きにすればいいさ。

「も、もうボクのことは好きに呼んでいいよ、ゾルダ……様……」

あっ、思わず『様』までつけちゃったよー。

ゾルダに聞こえてなければいいけどなー。

「おい、お前!」

ビクッとなりながら、ゾルダの顔色をうかがう。

「『様』まではつけんでもいいぞ。

 あやつからも呼び捨てだし、『ゾルダ』でよいぞ」

「……わかったよー」

やっぱり『様』まで聞こえていたんだ。

でも呼び捨てで良かったんだー。

さっきは呼び捨てで呼んで大丈夫かって思ったけど、そこは気に
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